飛ぶ鳥に雨 まだ巣には遠いのに
雨の季節を前に、好きなアーティストが逮捕される。その人がいて、僕は詩の世界に自分を見つけることができた。軸の壊れていくような衝撃は負の色になって全身を包む。そして悲哀はまた詩になるのだから、この世界はなんだか皮肉だ。黒い点、ポツン、染みて、さて、僕はどうなっていくのだろう。彼にどうなってほしいのだろう▼7月の本社句会で選者を務めることになった。限られた時間のなかで句を鑑賞するという初めての体験に緊張している。どんな夏の夜に出逢えるのだろうか。題は「花火」。
ふあうすと2014年6月号裏表紙