詩なんてアクを掬いとった人生の上澄みね、と表現したのが谷川俊太郎さん(世間知ラズ)。色々な形容詞や名詞、副詞や動詞のパーツを組み合わせては、時に汚れたままの、時に汚れを上手に隠しながら、事実や空想のアレコレを今年も詩歌に表現してきた。どんなアクが抜けて、どんな僕が残ったのか、僕は僕自身を知らない▼現実から逃避した遊戯であると揶揄する人もいた、現実に生きるための束の間であると語る詩人もいた。抜け殻とも、理想であるともいえるこの定義のない世界に来年も、僕はどんな風にして指を折っていくのだろう。
からっぽのなかで光を結っていた
ふあうすと2015年1月号裏表紙