不器用な人といるとほっとする、器用な人といると安心する。つまり、すなわち、同じだから共感できるし、違うから助けてもらえる。それだけのことで、僕たちはそれぞれ、色々な凹凸のピースになっているんだろうと思う。無色なようでいて、背景を構成する空の一部なのだとすれば、僕は君はとても大きな役割を担うね。そんな風に考えられるのが調和っていうことなんだろうな、と、不器用で上手には作れなかった、綿菓子の機械を眺めながら指を折る。いつも笑われて、いつも作ってくれたこと。
綿菓子になってくれない また笑う
ふあうすと2014年10月号「明鏡府」掲載