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[川柳]新しいノートを風が繰っていく

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後になって、あの時こう思ってたんだ、こうしてほしかったんだ、と言われると、白くあったはずの生地に泥をはねられたような気持ちになってしまう。今、こうしている時に、そうじゃないんだこうしてほしいんだ、と言われると、ずっと前からこうしようと決めていた時計の針が錆びて折れたような気持ちになってしまう。未来、今度、こんな風にしてほしいんだ、と言われると、そんな風にしなければいけないのかと鎖に縛り付けられた窮屈な気持ちになってしまう。と、書いて、僕は何かにバリヤーを張ろうとしている。時々訪れるこんな感情のことを都合よく「個性なんだ」と主張して、本当はワガママだっていうことは十分理解している。やりたいことのたくさん、やらなければいけないことのたくさん。

新しいノートを風が繰っていく
ふあうすと2015年2月号裏表紙