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[川柳]夏の背に忘れたはずの潮の音

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夏の背に忘れたはずの潮の音

海の街に住んでいると、潮の香りや打ち寄せる波の音、汽笛、霧、砂浜といったそれっぽいアイテムたちがいつかの記憶にリンクしてしまうことがある。甘い夢や淡い約束はテトラポッドの上に置いてきたつもりで、時々、たらればの未来に飛んでいく束の間の遊戯。夏の背が見え隠れし始めると、遠い遠い何かを空想してしまうのは悪い癖だね。

ふあうすと2014年9月号「明鏡府」掲載